【Day50】生活習慣病から将来を考える~糖尿病(2)
【Day50】生活習慣病から将来を考える~糖尿病(2)
本日もお越しいただき、ありがとうございます。
癒し系ヘルスコーチのあずさです。
前回から、糖尿病についてお伝えしています。
実は、私が学生の時に最初に関わった保健指導も糖尿病でした。
大学3回生から4回生になるまでの半年間、大学病院の一室
時には近くの喫茶店にて担当教授のクライアントの保健指導を行いました。
それは、生活習慣の話であったり、時にはこれまでの生育歴や生活の
グチであったりしましたが、私が保健師として活動する原点がそこにあります。
その当時から、毎月行う(大学病院でしたので、この時は毎月でした)
血液検査にて、効果でており、上手に血糖値がコントロールできている方と
薬の種類を変更しても上手くコントロールができない方がおられました。
なぜだろう?
その疑問が私の保健指導の出発点です。
そして、ある時衝撃的なデータに出会いました。
次のようなデータでした。
前回の【Day49】データ(*1)で言うと、
糖尿病が強く疑われる方が約1000万人、
糖尿病の可能性が否定できない方がさらに約1000万人、
そうすると、糖尿病の予備群は、ざっと約2000万人に上ります。
しかし、実際に治療を受けているのは、
平成26年度の厚生労働省の「患者調査」によると、
316万6,000人なのです。
しかも、私が経験したように、その中できちんと服薬し、
毎月受診しているにもかかわらず、治療効果は100%ではないのです。
ここが一つ目のポイントです。
「治療効果が100%でないから、治療しない」
期待した成果が出ない方治療を辞めてしまう方、
忙しいからなどその他の理由で治療を自己中断してしまう方がおられること。
そして、二つ目のポイントが、
健康診断などで「要精密検査・要治療」判定だったにもかかわらず、受診していない方です。健康診断後に受診をしていない方の割合は、経験値ですが4~6割に上るのです。
そして、三つ目のポイントが、
そもそも健康診断を受診していない方です。
働いている方の健康診断受診率は大企業であれば、ほぼ100%ですが、
会社の規模によって受診率が上下します。また、勤めに出ていない場合は、
特定健康診査の対象となるのですが、こちらの受診率も
厚生労働省発表の「平成27年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況に関するデータ」
によると、各と同時により差はありますが、平均は49.0%となっています。
ということは、自分が糖尿病予備群に入っているかも分からない、知らない、ということになります。これが現状なのです。
□ あなたの血糖値は年々どのように推移しているか把握していますか?
***
前半の数値からも、「治療できる病気」を「きちんと治療できている」状態でないことはお分かりいただけたかと思います。しかも、この糖尿病という病気は単独の病気ではないのです。
こういうことです。
糖尿病の治療が長期間に及ぶのは、長年続いた高血糖による合併症も同時に検査・治療する必要があるからです。
高血糖の状態が長年続くと、血管に直接ダメージを与え、動脈硬化を引き起こす原因の一つになります。現在の医療では、高血糖や高血圧によるダメージを受けた血管を元のダメージを受ける前の血管に戻すことはできません。
肝硬変まで経過した肝臓が元の状態に戻らないのと同じです。
服薬による糖尿病の治療は、高血糖状態を改善し、これから受けるであろう血管へのダメージを軽減することを目的としていることからもお分かりいただけるかと思います。
また、血管は体中を張り巡らされているため、にひとつの臓器だけにダメージがとどまらないことも糖尿病という病気の特徴です。そのため、高血糖の状態が長期に渡ると、腎臓、眼、神経、足、脳や心臓など複数の臓器、箇所にその影響が出るのです。
糖尿病による三大合併症は、神経症、網膜症(眼)、腎症ですが、合併症が出ているにもかかわらず放置しておくと、足の壊疽による切断、網膜症による失明、腎症による人工透析などが待っています。
さらに、糖尿病やその予備群では、アルツハイマー病のリスクが4.6倍、がんによる死亡リスクが3.1倍、心筋梗塞のリスクが2.1倍、脳梗塞のリスクは1.9倍高まると言われています。(*2)
糖尿病では、ものすごーーーーく悪い値だから病気が悪化する
(もちろん悪いデータでは悪化しますが)と一概に言えず、
軽度高値が続いても合併症の原因となります。
ですので、
「ちょっとくらいだから大丈夫」ではなく、
「基準値を超えているから、一度詳しい検査を受けよう」
と行動を変化させることが健康を守るための秘訣です。
少し基準値より高い値では、確かに何の症状もないかもしれません。
しかし、この身近にある糖尿病という病気は、一つの病気ではなく、
合併症などの病気を引き起こすことを忘れてはいけません。
本日は少し厳しい話しとなりましたが、健康はあなたの大切な財産です。
Health is wealth.
あなたの人生があなたとあなたの周りの人にとって、素晴らしいものでありますように。
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by Azusa Kato
【参考資料】
*1:平成28年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)
*2:久山町研究より
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