【Day45】生活習慣病を知る～高血圧編（１）

【Day45】生活習慣病を知る～高血圧編（１）

本日もお越しいただき、ありがとうございます。

癒し系ヘルスコーチのあずさです。

さあ、折り返し地点を超えてきました。

始める前より、健康のこと、自分の将来のこと、

そして、目的のために今出来ること、といった視点から

1日5分間のエクササイズに取り組まれたのではないかと思います。

では、本日からは2巡目になりますので、

病気から健康を考えるシリーズを展開していきます。

コーチングでは、未来のゴールや目的を描くときに

なりたい未来を考えます。

しかし、時には「こうなりたい」「こうありたい」が、

思い浮かばないことがあります。その時には、「こうなりたくない」という

マイナスな未来を描くことで、そこから改善したいポイントや状況を

変えていくという考え方をします。

これが、病気（＝こうはなりたくない未来、マイナスの未来）から

改善したい現在の生活習慣を考えようとする、従来型の保健指導のモデルになります。

「こうなりたい未来」が思いつかない場合は、

「こうはなりたくない」将来を思い浮かべてみてください。

では、本日取り上げるのは「高血圧」についてです。

＊＊＊

◆血圧とは？

　血圧は、心臓が全身に血液を送り出す際に、血管（動脈）の壁にかかる圧力のことです。

　血液を大動脈に送るために、心臓が収縮している時の血圧を「収縮期血圧」と言います。この時に動脈壁にかかる圧力は最大になります。次に、収縮した心臓が元に戻り動脈壁への圧力がもっとも低くなるときの圧力を「拡張期血圧」といいます。

測定値により、血管の抵抗性や弾力度、そして心臓の機能などを推定します。

◆血圧の基準（＊１）

　日本血圧学会の分類によると、次の6段階に分けられます。（単位：mmHg）

　 収縮期血圧（最大血圧）　　　　　拡張期血圧（最小血圧）

　至適血圧　　　120未満　　　　　　　　　　　　　　　80未満

　正常血圧　　　120～130未満　　　　　　　　　　　80～85未満

　正常高血圧　　130～140未満　　　　　　　　　　 85～90未満

　Ⅰ度高血圧　　140～160未満　　　　　　　　　　 90～100未満

　Ⅱ度高血圧　　160～180未満　　　　　　　　　　100～110未満

　Ⅲ度高血圧　　180以上　　　　　　　　　　　　　　110以上

血圧＝130/85mm」Hg以上の場合は、信号機で言うと、

黄色信号（今でも、定期健康診断などでは140/90、病院を受診した

場合は医師によっては160/100と言われることもあります）、

血圧＝160/100以上の場合は、「要受診」（赤信号）の判定になります。

ただし、血圧は緊張する場面では上がり、

リラックスしている場面では下がりますので、

一度の測定値で判断せずに、定期的に血圧を測定し、

その変動具合をみることが大切です。

大勢の人前で話さないといけない場面と、家のソファーで

くつろいでいるときは身体の緊張度合いも変わりますよね。

◆血圧を測ると・・・こんな病気がわかります

　●高値の場合：高血圧症、肥満、脂質異常症、動脈硬化、腎臓や内分泌の病気など

　●低値の場合：低血圧症、心不全、大出血など

＊＊＊

次に、高血圧の原因についてですが、

高血圧の原因でよく耳にするのは、塩分の過剰摂取、それから肥満やストレスがあります。ところが、実際には高血圧の90％以上が明確な原因不明と言われているのです。

これは、前回の「我が国の健康・衛生政策から見た生活習慣病」でも書きましたが、各種生活習慣病のなり易さのうち、遺伝的な要因が35％、生活習慣の要因が65％の割合で影響を与えていることとも関連します。（＊2）

また、高血圧は原因により「一次性高血圧」と「二次性高血圧」に分類されており、「一次性高血圧」は、「本態性高血圧」とも呼ばれ、特に明らかな異常がないのに血圧が高くなります。ただし、血圧を上げる要因は食塩の過剰摂取や加齢による血管の老化、それからストレス、過労、運動不足、肥満、そして遺伝的要因などがあげられています。

一方、「二次性高血圧」は、腎臓病やホルモン異常など、原因となる病気があるものを言います。こちらは、原因となる病気が治ると、高血圧も改善します。

厚生労働省の「健康日本21」における試算によると、国民の血圧が平均2mmHg下がると、脳卒中による死亡者は年間約1万人減り、循環器疾患全体では2万人の死亡が防げると見込まれています。

では、高血圧をいかにして予防するか、次回はメタボリックシンドロームとの関連および遺伝的な要因と減塩や肥満の解消などの生活習慣に分けて、改善ポイントをお伝えします。

本日も素晴らしい一日になりますように！

【文献】

＊１：日本高血圧学会の治療ガイドライン作成委員会. 日本高血圧学会の治療ガイドライン2009.東京：ライフサイエンス出版；2009.

＊２：Finch CE,Tanzi RE.Genetics of agimg.Science.1997;278:407-11.

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by Azusa　Kato